入社時にとっておきたい書類

介護事業所も実は労働トラブルが多い業種です。
万が一のトラブルを防ぐためにもとっておいた方がいい書類がいくつかありますので、ご紹介します。

自筆による履歴書(提出前3ケ月以内の写真貼付)
中途採用者は職務経歴書
住民票記載事項証明書(内容は会社指定)
源泉徴収票(暦年内に前職のある者のみ)
年金手帳、雇用保険被保険者証(所持者のみ)

最低これくらいはどこも取っていると思います。
加えて、次の書類も取っておきましょう

① 身元保証書
② 通勤費支給内容届出書
③ 給与・賞与振込口座指定書
④ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
⑤ 入社誓約書、機密保持及び個人情報保護に関する誓約書

特に身元保証書や、入社誓約書は取っておきたいですね。

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入社誓約書の書式ダウンロード

身元保証書の書式ダウンロード

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社会保険等の加入基準

正社員とパートタイマーなどとの違いは、こちらで記載いたしましたが、大きなものの一つに保険への加入義務の差があげられます。
今回は、その基準の違いを取り上げてみたいと思います。
社会保険などと申し上げましたが、更に詳しく申し上げますと

  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険

があり、前二つを「労働保険」と呼び、残りを「社会保険」という呼び方をします。
この労働保険と、社会保険、同じ保険とついているのでよく似ていると勘違いされる方もいらっしゃいますが、実のところ全く異なります。もちろん加入義務が生じる基準も異なります。
整理をしますと以下の通りです。

雇用期間 週の労働時間
労災保険  -   - 
雇用保険 31日以上継続 週所定労働時間20時間以上
健康保険 1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上である
かつ
1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上である
厚生年金保険 1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上である
かつ
1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上である

ただし、「2か月以内の雇用期間を定めて雇用される者は、社会保険の加入基準を満たしていても社会保険の適用除外者となります。従って、上記の2つの基準を満たしているパートタイマー、アルバイト等であっても、契約期間が2か月以内に限定され更新がない場合は、社会保険の適用を除外されます。

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契約期間

この契約期間に関する事項は、必ず書面で示さ中ればならない事項でした。詳しくはこちらで
以前は、契約期間は原則1年、特別な場合に最長3年などという制度がありましたが、
近年の労働環境の変化と労働者の就業意識の変化に伴い、かなり変更されてきました。

詳しくは下部に記載するとして、簡単に言うと
契約期間については、期間の定めがあるものとないものがあります。
期間の定めがあるものについては、同じ仕事に長期間縛り付ける契約になってしまい、労働者が不利になる虞があるため上限を区切っていることになります。
その期間が、原則 3年以内 となります。
ただし、一定の者については、5年まで認めているものもあるということです。
3年 と 5年 この数字を覚えておくようにしてください。

契約期間

労働契約の契約期間は3年以内とされています。
また、専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」と言います。)であって、高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当するものを有する労働者がそのような専門的知識等を必要とする業務に就く場合に締結する労働契約については、契約期間を5年以内とすることができます。

《原則》上限3年
(※)ただし、有期労働契約(特例3に定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限ります。)を締結した労働者(下記特例1又は2に該当する労働者は除きます。)は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができます
〔この措置は、政府が、改正労働基準法の施行後3年を経過した後に、その施行の状況を勘案しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるまでの間の暫定措置です。〕

《特例1》専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準(※)に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約
→ 上限5年

《特例2》満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約
→ 上限5年

《特例3》一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約(有期の建設工事等)
その期間

(※)高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等とは、次の①から⑦のいずれかに該当する者が有する専門的知識等を言います。
① 博士の学位を有する者
② 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士又は弁理士のいずれかの資格を有する者
③ システムアナリスト試験又はアクチュアリー試験に合格している者
④ 特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者
⑤ 大学卒で実務経験5年以上、短大・高専卒で実務経験6年以上又は高卒で実務経験7年以上の農林水産業の技術者、鉱工業の技術者、機械・電気技術者、システムエンジニア又はデザイナーで、年収が1075万円以上の者
⑥ システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントで、年収が1075万円以上の者
⑦ 国等によりその有する知識等が優れたものであると認定され、上記①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局長が認める者

(注意点)
○ 5年以内の契約期間の労働契約は、上記基準に該当する労働者がそのような専門的知識等を必要とする業務に就く場合であれば、いつでも締結することができます。
○ 改正労働基準法による労働契約の契約期間の上限の延長は、有期労働契約が労使双方から良好な雇用形態の一つとして活用されるようにすることを目的としたものです。
今回の改正を契機として、期間の定めのない契約の労働者を採用することとしていた方針を有期契約労働者のみを採用する方針に変更するなど有期労働契約を期間の定めのない労働契約の代替として利用することはその趣旨に反するものです。
○ 労働者との間に期間の定めのない労働契約を締結している場合には、その労働者との間の合意なく契約を有期労働契約に変更することはできません。

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職員の採用時に気を付けること

労働条件の明示

社員さんだけでなくパートさんアルバイトさんでも雇い入れの際には、その労働条件をはっきり示す必要があります。

第十五条  (労働条件の明示)

(1)使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

(2)前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

(3)前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

となっています。

皆様がコンビニでジュースを買うときに契約書を用意されたら面倒ですよね?
でも、家を買うときに口頭で説明されたり、詳しく内容を聞かされていなかったらどんな気分ですか?

社員さんとも実は、「契約」を結んでいるんですね。
働く人は労働力を提供し、
使用者側はその労働の対価として賃金を支払う
という契約です。

義務と権利を少し解説しますと、
労働者には、
誠実に働く義務と、対価として給料を受ける権利があり、
使用者側には
労働に対する給料を支払う義務があり、真正に労働を提供を受ける権利を持っています。

もし、労働者がきっちりと仕事をしてくれないときは、「ちゃんとやれっ」って言いたいですよね?
もちろん、それは言うことができるのですが、なぜ言えるのかというと、つまりは労働者と契約を結んでいるから
ということになります。

それでは、何を示す必要があるのでしょうか?
詳しくは、労働条件の明示をご覧ください。

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労働条件の明示

「明示」=言葉の通りですが、はっきりと示すことを指します。
皆様はどうするとはっきり示されたと感じますか?
やはりそれは「書面」で示された時です。
日常でも、「言った、言わない」でもめたご経験があるのではないでしょうか?
これは労働契約でも同様です。
言った言わないでもめないためにも、最低これだけは必ず書面で示しましょう
と決められている事項があります。

必ず書面で明示

1. 就業の場所・従事する業務に関する事項
2. 始業・終業の時刻・休憩時間・休日・休暇・交代制に関する事項
3. 賃金の決定・計算・支払方法、時期・締切日に関する事項
4. 退職、解雇に関する事項
5. 労働契約に期間を定めた場合には、労働契約の期間に関する事項

どれも重要ですよね?
他にも、会社間で異なることがあるので、会社に規定があれば必ず示さなければならない事項というのも存在します。

その会社に定めがあれば必ず明示

6. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、退職手当の支払いの時期に関する事項
7. 臨時に支払われる賃金、賞与および最低賃金に関する事項
8. 労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
9. 安全・衛生に関する事項
10. 教育・研修等の訓練に関する事項
11. 災害補償、業務外の疾病扶助に関する事項
12. 表彰・制裁に関する事項
13. 休職に関する事項
14. 昇給に関する事項

これらを示す書類のことを「労働条件通知書」「雇用契約書」「雇用通知書」と言ったりします。
呼び方はともかく、言った言わないでもめないためにも、初めにしっかりと条件を提示しておくことが大事です。

労働条件が変わった時

労働条件通知書は労働契約の内容を示すものでした。
その性質から考えると答えは簡単です。
労働条件が変更された時は、変更された労働条件で再度通知する必要があります。

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労働条件通知書の書式ダウンロード

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