管理監督者の深夜労働について

管理職については、労働基準法第41条に定める管理監督者として取扱うことにで労働時間の規制から外れることとなります。
つまり、労働時間に関係なくはたたらかせることができるという意味です。
しかし、それはあくまでも労働時間、休憩、休日の規定の適用が免除されるだけで、深夜業に関する規定は適用は除外されないことになっています。
だから、管理職の方がが深夜(午後10時~午前5時)に業務を行っていれば、当然に深夜割増手当を支払う必要があります。

管理監督者については、賃金台帳においても労働時間数、時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数の時間数を管理することを免除されていますが、深夜手当を支払う義務があり、また昨今の過重労働からの鬱や過労死の問題に配慮する意味でも、深夜時間数を管理することが望ましいと思います。

通達(昭和23年2月3日 基発第16号)でも、「深夜労働時間数」は賃金台帳に記入するように指導されたい」とありますので、会社としては記入しておくことが望ましいと思われます。

賃金台帳の法定記載事項

賃金台帳には必ず記載しなければならない事項が法律で定めらています。

(労働基準法施行規則第54条第1項)
使用者は、法第百八条 の規定によつて、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなければならない。

  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金(諸手当、賞与を含む)毎の計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
  7. 賃金の種類(基本給、諸手当)ごとの金額
  8. 労働基準法第24条第1項により賃金の一部を控除した場合の額

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労働時間の適正把握のための基準

皆様の事業所では、労働時間をどのように確認されていますでしょうか?

  • 「タイムカードで労働時間を把握する必要がありますか?」
  • 「うちは始業時間が9時からなので、社長が9時と書き入れていますが、問題ありますか?」

等といったご質問をよく受けます。

国から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」というものが出されていますが、その中では以下のように記載されています。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準

(1)始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認し、これを記録すること。
(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
 使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
  ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
  イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。
(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
 上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ずること。
  ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
  イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
  ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。

(4)労働時間の記録に関する書類の保存
 労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること。
(5)労働時間を管理する者の職務
 事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること。
(6)労働時間短縮推進委員会等の活用

つまり

  • 使用者が目で見て確認して記録する。
  • タイムカードやICカーで客観的に把握する

ことが求められていて、労働者の自己申告制とする場合でも、実態と合うかどうかを調査をする義務を使用者側に課しています。

こういったことを踏まえますと、タイムカードで把握するのが最も推奨されますが、それができない事業所におかれましては、使用者側が責任を持って管理する義務がある ということが言えます。

労働基準監督署の調査でも、労働時間の把握はしっかりと確認される部分なので、毎日きちんと管理しておきたい部分です。

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