子供を養いながら働き続ける従業員の雇用の継続を測るために、育児休業の円滑な取得と職場復帰を促す取り組みを行った中小企業事業主に対して、助成金が支給されます。
1.両立支援助成金の育児休業等支援コースとは?
育児休業等支援助成金は、両立支援助成金の中の1つのコースです。
両立支援助成金は、他にも介護と仕事、女性と仕事、定年と仕事など、プライベートと仕事を両立させるために何かの取り組みをした時に助成金が支給されます。
この助成金は男性でも女性でも受給することが可能です。
女性の場合は、
女性が妊娠し、出産前に産前産後休業そして、育児休業を取得します。
育児休業が終了または、ひと段落した時に職場へ復帰します。
育休取得者の職場支援の取組をした場合に追加の給付が行われます
女性の育休中、その穴を埋めるために追加の社員が必要な場合もあります。これが代替要員確保です。
また、復帰後に育休を取得した人の働き方について一定の支援をした際に給付があります。これが、職場復帰後支援です。
育児休業等支援コースは、これら5つの取り組み ごと に対して支払われるという仕組みになっています。
2.助成金支給額は?
助成金の額は、企業が行った取り組みの種類により以下のように異なります。
No | 取組の種類 | 助成金受給額 |
---|---|---|
1. | 育休取得時 | 28.5万円※1企業2名まで(有期契約/無期契約) (36万円) |
2. | 職場復帰時 | 28.5万円※1企業2名まで(有期契約/無期契約) (36万円) |
3. | 育休取得者の職場支援の取組をした場合![]() |
19万円(24万円)※「職場復帰時」に加算して支給 |
4. | 代替要員確保 | 47.5万円(60万円) ※支給対象者が有期契約の場合9.5万円(12万円)加算 ※支給対象期間5年間で、1年度当たり10名まで |
4. | 職場復帰後支援 | 看護制度導入・・・導入時28.5万円(36万円) 制度利用・・・1000円(1200円)× 時間数 保育サービス制度導入・・・28.5万円(36万円) |
※カッコ内支給額は、生産性要件を満たした場合に支給される額です。生産性要件については、厚生労働省のホームページ 生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます をご確認ください。
申請できる人数ですが、育児休業取得時と職場復帰時の場合、申請できるのは1企業あたり2名まで(有期契約社員が1名と無期契約社員が1名)です。
一つの会社が一度有期契約社員でこの助成金を使ったとしても、次回無期社員であれば同じようにこの助成金を使うことが可能です。しかし、有期契約社員が2名該当した場合でも1度しか利用することができません。
代替要員確保については1事業所あたり10名まで利用することが可能です。
純粋に人が増えていることを言うのではなく、育休を取得した人の代替要員として補充していることが必要となります。
3.支給要件は?
両立支援助成金は、中小企業に限られます。
中小企業とは、「資本又は出資の額」「常用労働者数」のいずれかが下表に該当する事業主を言います。ただし、資本金額などのない事業主については、常時雇用する労働者の数により判定します。
小売業 | サービス業 | 卸売り業 | その他 | |
---|---|---|---|---|
資本又は出資の額 | 5千万円以下 | 5千万円以下 | 1億円以下 | 3億円以下 |
常用労働者数 | 50人以下 | 100人以下 | 100人以下 | 300人以下 |
育休取得時
上司と育休取得予定社員が面談し、面談結果を既定の「産休・育休復帰支援面談シート<休業前>」に記入する。
育休復帰支援プランを作成する
作成した育休復帰プランに基づき、業務の引継ぎなどを実施する
対象社員に3か月以上の育児休暇を取得させる
職場復帰時
作成した育休復帰プランに基づき、職場の情報・資料等の提供を実施する
対象者の職場復帰前と復帰後に、上司または人事担当者と面談をし、面談結果を「産休・育休復帰支援面談シート<休業中・復帰後>」に記入する。
原則として、職場復帰者を原職に復帰させ、6か月以上継続雇用すること
育休取得者の職場支援のための取り組みをした事業主
育休取得者の業務を一定の従業員に代替させていること
業務の見直し効率化のために、業務の一部の廃止やマニュアルの見直し、手順の見直し効率化などを行うこと
代替業務について賃金制度において規則に明記していること
賃金制度に基づき代替者の賃金が増額されており、一人当たり1万円以上増額している期間が3か月以上あること。なお、代替者の所定外労働時間は7時間を下回っていること
代替要員確保
育休取得者の職場復帰前に、就業規則等に育児休業が終了した労働者を原職に復帰させる旨を規定すること。
対象労働者が3か月以上の育児休業を取得した上で、事業主が休業期間中の代替要員を確保すること。
対象労働者が、育児休業終了後に規定に基づき原職等に復帰し、さらに6か月以上継続就業すること。
職場復帰後支援
<子の看護休暇制度>
小学校就学の始期に達するまでの子の看護のための休暇制度を定める
対象労働者に利用させた実績があり、かつ1人につき20時間以上利用させる
<保育サービス費用補助制度>
小学校就学の始期に達するまでの子にかかわる保育サービスの費用の一部を補助する制度を定める
復帰後6か月以内にその制度利用させ、3万円以上補助していること
4.手続き方法について
事業主は、事業所が所在する管轄の労働局長あてに支給申請書類を提出します。
書類は申請する助成金の種類(育休取得時/職場復帰時/代替要員確保時)により
様式は異なります。詳細は、以下厚生労働省のホームページからご覧いただけます。
仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主等のみなさまへ
5.この助成金に関する注意点は?
基本ステップ
制度設計・導入・周知
制度対象者に対する支援
職場マネジメントとしての育休支援プラン策定
書類は厚生労働省のホームページにありますからそちらを参考にして作ることが必要です。