3人が共謀し労災の隠滅を図る 森林組合を送検 呉労基署

 広島・呉労働基準監督署は労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかったとして、西城町森林組合(広島県庄原市)と同組合の髙橋卓三代表理事、参事、総務課長の3人を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで広島地検呉支部に書類送検した。発注者に労働災害発生が発覚することをおそれ、隠滅を図ったという。

 労働災害は平成29年9月13日、同県呉市内の伐採現場で起きた。被災労働者は2メートルほどの木が生える斜面で刈払い作業をしていたが、斜面に足を滑らせ転倒、刈払機に足の指を巻き込まれた。労働者は左足の人差し指と中指を骨折し、約1カ月間休業した。

 労働安全衛生法は休業4日以上の労働災害が発生した場合、事業者は所轄の労基署に遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなければならないと定めているが、同組合の髙橋代表理事、参事、総務課長の3人は共謀の上、報告を提出しなかった。

 同労基署は捜査のきっかけと3人の被疑者の容疑の認否について明らかにしていない。

【平成30年5月14日送検】

労災隠しはばれなければいいという問題ではありません。

労災と健康保険の給付は一般的によく似ているように感じますが、全然補償内容が異なります。

まず、
労災では、労働者を保護する目的で、それを企業に負わせています。
本来、企業が払うべき治療費を保険を強制的に欠けていることで
国が代わりにその治療費を払います。

もしも会社が負うべき責任=安全配慮や監督責任 を果たしていない時は、
国は会社にその責任を負わせるということになります。

言葉にすると怖い感じもしますが、
実際は、今度からこういう事故が起こらないようにこういう注意を払っていくようにしましょう と会社の仕組みを改善していくきっかけにしたいというのが国の考えです。

それを健康保険を使うことで労災を隠すと、労働環境を良くするきっかけを隠していることになり、改善のきっかけを失います。
同じような災害が発生する可能性もあります。

これの罪が重いのです。

forestlights

確かに、
監督署が会社に来るというのは気分のいいものではないかもしれません。
しかし、きっと契約社労士がそのあたりをうまく取り扱ってくれると思います。

労働災害の発生は改善のチャンスだととらえ、より良い会社へと発展されるきっかけにしていただければと思います。