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2023.10.13
【Q&A】 小規模の会社で就業規則がありません。それでも、解雇ってできますか?
懲戒解雇はできませんが、普通解雇はできます。
詳しく解説いたします
労働基準法とは、民法の特別法として制定されたものです。民法をより詳しく具体的に定めた法律というようなニュアンスです。民法には次のように定められています。
<解雇・退職について>
民法
第 627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3箇月前にしなければならない
第 628条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
就業規則があろうがなかろうが、会社の 解雇権 という権利は民法により保障されているので解雇はできるということになります。
集英社事件 昭和45年 (ワ) 6978 が参考になります
被告が労働基準法上、就業規則を作成して行政官庁に届け出、これを労働者に周知させる義務があり、右義務違反は罰則の適用を受ける違法行為だとしても、被告が前示不作為の故に当然にその従業員を解雇できなくなるいわれはない。また、当時被告会社にはいかなる形においてにせよ従業員の解雇基準がなかったことは、弁論の全趣旨に徴し明らかであるが、使用は予め定められた解雇基準によらなければ労働者を解雇できないという理由もない (中 略) 以上考察したところによれば、被告会社が原告を解雇するについては唯単に原告が気に入らないとして勝手気ままにこれをしたものとは認め難く、本件解雇については首肯するに足りる合理的な理由があったものといわなければならない。従って本件解雇を目して被告が解雇権を濫用したものとか、公序良俗に反するとかいうことはできない。 |
判決文は遠回しな言い方になりますが、要は、「解雇する理由が認められるから、就業規則の作成義務などの法律違反をしていたとしても解雇権がなくなるわけではない」ということです。
懲戒解雇ができるわけではない
普通解雇と懲戒解雇は別物です。懲戒解雇は、限定列挙と言って就業規則にある理由でしか解雇ができませんので、懲戒解雇をするなら修行規則が必須です
ただ、その解雇が有効になるか否かは別物です
解雇の権利が否定されない ということは確実ですが、解雇ができるかどうかは別物です。
むしろ、否定される可能性のほうが高いと思います。
それは、就業規則を備えていない程度の法律に対する知識であれば、解雇の要件を満たしていない可能性が高いです。
日本では、解雇の要件が厳しく、解雇を有効にするためにはしっかりとした準備が必要です。
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