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2023.09.26
【Q&A】 募集広告と異なる採用条件は問題がありますか?
30万の募集をしていたんですが、実際の採用は27万になりましたが、問題ありますか?
募集広告と実際の採用条件に差異があるだけでは問題にはなりません。
詳しく解説いたします
労働契約とは、一定の条件の下で合意の下で労務の提供と賃金の支払いの交換契約を結ぶこと を言います。
募集広告とは、契約を結ぶ条件を示しているものではありません。
ということから考えると、募集広告と異なる条件で採用しても特に問題にならないということになります。ただ、2022年大きな話題となった募集と採用の大きな事件がありました。
求人サイトで「月給35万円以上」、実際は約17万円…マダムシンコ元従業員が労働審判申し立て 申し立ては8月。男性によると、昨年3月、求人サイト「インディード」を見て、マダムシンコの工場で菓子製造をする仕事に応募した。サイトには「月給35万円以上(残業代含む)」と記載され、人事担当者との面談でも試用期間(3か月)後の月給が35万円と口頭で説明され、採用された。 勤務開始1か月後に示された雇用契約書には「基本給16万~25万円」と記されていたが、残業代の明確な記載がなく、男性は上司に「月給35万円」と口頭で確認し、署名した。しかし、試用期間中は25万円だった月給が3か月の期間終了後に約17万円になったという。男性は今春退職した。 2022年11月25日付けで、大阪地裁は株式会社カウカウサービスに対して90万円の支払いを命じた。 |
募集と採用の間に差があっても特に問題はありませんが、その取扱いには気を付けなければなりません。募集広告と異なる条件であったことがトラブルになる事案が後を絶ちません。
それは、採用の際に、きちんと採用条件を通知していないからにほかなりません。採用の際に、どのような条件で採用するかを書面で示す。つまり、労働条件通知書の発行をすることが非常に重要となります。この通知書がない場合、労働条件が募集広告と同じであると推測するのは当然です。
ある企業様では、口頭で説明した とおっしゃるケースもありますが、それを証明することはできません。
「労基法でも書面により通知すること」 とありますので、口頭説明では不十分です。
契約は口頭でも成立するとされておりますが、労働条件を口頭で説明すると、言った・言わない のトラブルに発展することが予想されますので、労働条件通知書の発行は、習慣にされることをお勧めします。
また、労働条件の変更については、法律上の義務はありませんが、上記の通り、トラブルになることを避けるのであれば、書面作成をお勧めいたします。2018年職業安定法が改正施行され、労働者の募集や求人申し込みの制度が変更されています。募集広告と実際に採用する条件が異なる場合には、それらをきちんと明示する必要があります。
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記載の内容は、執筆当時の法律に基づきます。また、わかりやすく記載するため、例外についてあえて記載していないことがあります。また、一定の状況下・一定の条件のことを指していることがあり、すべての状況で同様のことが言えるわけではありませんので、ご了承ください。