エクセルでの給与計算のメリット・デメリット

計算機を持つ女性

10人位の会社様がエクセルで給与計算をやっているということを時々耳にいたします。
エクセルがパソコンにありさえすれば、そのアプリが有料か無料かの違いはありますが、月々は無料で給与計算ができるように思います。
しかし、これは果たして本当に生産的なのでしょうか?
逆に高コストになっていることはないでしょうか?

エクセルで給与計算を行うメリットとデメリットを確認していきましょう。

メリット

エクセルが入っていれば原則無料
おそらくほとんどの方がこの理由でエクセルを使っているのだと思います。
基本的に給与計算は掛け算・割り算ですからエクセルとの相性も悪くはありません。
操作になれている
給与計算をしたことがない人でもエクセルを触ったことがある人は多いのではないでしょうか?
ワードなどと比べると難しいですが、エクセルは操作方法が簡単です(マスターするのは相当難しいですが)

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デメリット

計算結果が正しいかどうかが不明
エクセルで給与計算をする場合参照を使ったりすることになりますが、なまじソフトを使っているので、出てきた数字を信用しがちですが、意外とこの数字が間違えています。

それは、次にあげますが、標準報酬月額や保険料率の変更を参照を使ったり、通常の計算式で行ったりしておりますので、それを変更し忘れるため間違った給与計算の結果が出力されてしまいます。毎月のことですから、ついついそれを信用し、何か月も経過してからその間違いに気づくということが非常に多く見受けます。

税率や保険料の変更、法改正の対応が難しい
社会保険料率や雇用保険料率、標準報酬月など年間少なくとも3回は設定の変更が必要です。

これらの変更は、同時には起こりません。これを都度変更することは非常に面倒です。
特に社会保険料率の変更は変更月の理解も必要であり、間違えて変更している会社様は多いです。

被扶養者の増加など所得税の計算が煩雑

毎月固定給の場合は、税率変更、家族の増減の際にチェックすれば済むことになりますが、それでも間違えていることがあります。
通常は所得の金額に応じ、表を使って計算していくことになりますが、この作業は非常に面倒です。

給与明細が原則出力されない

ダウンロードするエクセル給与計算ソフトにもよりますが、無料のソフトは給与明細が出力されないことが多いです。有料のエクセルの場合、そこまで対応していることはあります。

年末調整の際の手間が増える

エクセルでは原則年末調整ができません。
これは圧倒的に給与計算ソフトのほうが優秀で、ローコストです。

エクセルでの給与計算を卒業しませんか?

エクセルで給与計算を行っていて、非常に簡単な給与計算方法をとられている会社様であったとしても、やっぱり給与計算を間違えています・・・。

後から修正すればいい

とおっしゃる方も多いですが、給与計算ミスは従業員からの信頼を損なういい加減な会社と思われる原因の一つにもなりますから、愛社精神をはぐくむ視点でもあまりお勧めできません。

実は高コストなエクセルの給与計算

komatacat

給与計算、年末調整にどれくらいの時間をかけていますか?
退社の際は、源泉徴収票の発行と市への異動届を発行しまする必要がありますがその作業にどのくらいの時間がかかっていますか?
(エクセルを使っているから発行していないというのは論外ですが…)

10人未満の会社様の場合、社長や奥さんが給与計算をしているケースをよく見ます。
見えないコストはどのくらいかかっているか試算してみます。
社長の月額報酬が 100万円の場合、時給に換算すると、およそ5900円となります。
月に給与計算が1時間年末調整に6時間がかかっているとすると
なんと年間10万円以上のコストがかかっています。
1時間以上かかるようなことがあれば、もっとコストがかかっていることになります。

しかも、残念なことにその給与計算は間違えています・・・

労力をかけ、間違え、それらの修正の時間が必要、そして従業員からの信頼も失う

そう思えばエクセルの給与計算はメリットがほとんどないようにに思います。