1.キャリアアップ助成金(健康管理コース)とは?
キャリアアップ助成金に共通のキャリアアップ計画を提出することは言うまでもないですが、内容としては、有期契約労働者等について「法定外の健康診断制度」を規定し、延べ4人以上実施した場合に支給されます。
まずは、法定外とは何を言うのかをチェックする必要があります。
2018年今日現在、有期契約社員については定期健康診断は義務付けれておりません。その義務付けられていない人に対して健康診断を行うことが、この助成金で言う「法定外の健康診断」を指します。
因みに、健康診断でいう法定項目は次の通りです。
【法律で定めのある健康診断11項目】
既往歴及び業務歴の調査、喫煙歴、服薬歴などの調査
自覚証及び他自覚症状の有無の調査
身長、体重、視力、聴力、腹囲の検査
胸部エックス線検査
血圧測定
貧血検査
肝機能検査
血中脂質検査
血糖値検査
心電図検査
尿検査
2.助成金支給額は?
内容 | 助成金金額 |
---|---|
有期契約労働者等について「法定外の健康診断制度」を規定し、延べ4人以上実施した場合 | 1事業所当たり38万円(48万円) ※大企業は減額されます |
※カッコ内支給額は、生産性要件を満たした場合に支給される額です。生産性要件については、厚生労働省のホームページ 生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます をご確認ください。
3.事業主要件は?
有期契約労働者等を対象とする、各種健康診断制度を労働協約又は就業規則に規定した事業主
雇用する有期契約労働者等延べ4人以上に実施した事業主
規定した健康診断制度等を継続して運用している事業主
実施した健康診断等の費用の全額負担する事業主
実施した健康診断等の費用を半額以上負担する事業主
健康診断制度を実施するにあたり、実施要件がある場合には、労働協約または就業規則に規定している事業主
生産性を満たした場合の支給額の適用を受ける場合は、当該生産性要件を満たした事業主であること
4.支給対象従業員について
「健康診断制度コース」の支給対象となる従業員は、次の(1)~(3)要件を満たす必要があります。
(1)有期契約労働者であること
(2)雇用時の健康診断・人間ドックの受診日に、申請事業主事業所において雇用保険被保険者であること
(3)助成金の支給申請日に離職していないこと
5.対象となる各種健康診断とは?
支給対象事業主は、キャリアアップ計画の実施期間の中で、健康診断の実施義務のない有期雇用の従業員に対し、下記3つの内いずれかを労働協約または就業規則に規定し、対象従業員4人以上に実施する必要があります。
雇入時健康診断
労働安全衛生規則第43条に規定された常時使用する労働者に対して行う健康診断
定期健康診断
労働安全衛生規則第44条に規定された、常時使用する労働者に対して行う健康診断
参考:厚生労働省 労働安全衛生に基づく健康診断の概要(6頁~)
人間ドック
次の(ア)に加えて、(イ)~(ク)いずれかの項目について行う健康診断
(ア)基本健康診断
(イ)胃がん検診
(ウ)子宮がん検診
(エ)肺がん検診
(オ)乳がん検診
(カ)大腸がん検診
(キ)歯周疾患検診
(ク)骨粗鬆症診断
6.手続きの流れ
キャリアアップ計画の作成・提出〈健康診断制度を規定する日までに提出〉
・雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置し、「キャリアアップ計画」を作成し、管轄労働局長へ提出し、認定を受ける
↓
就業規則または労働協約に健康診断制度を規定します
・キャリアアップ計画期間中に、健康診断制度を規定します
【注意】
※ 労働基準監督署に改定後の就業規則の届出が必要です
※ 10人未満の事業所は労働基準監督署への届出の代わりに、事業主と労働組合等の労働者代表者の署名及び捺印による申立書でも大丈夫です
↓
健康診断等の実施
・法的に健康診断実施が義務づけられていない有期雇用従業員4人以上に健康診断制度を実施します
↓
助成金支給申請
・4人目の有期雇用従業員が健康診断を実施した月の給与支給日翌日から2カ月以内に申請を行う
↓
支給決定
7.この助成金に関する注意点は?
この助成金は、導入の時期がとても重要です。
制度導入、健康診断の時期についてはご注意ください。
また、健康診断について領主所の書き方にも注意が必要です。
細かな注意点ですが、需給の可否にかかわる点なので、最初にきちんとチェックリストを備えることが大切です