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2023.09.28
【Q&A】1か月に3回の遅刻で1日分の欠勤扱いは合法ですか?

控除できる範囲は法律で決まっているので、できません。ニュースで見るような「減給3か月」というようなことも会社ではできません。

詳しく解説いたします

おそらく、ご質問の会社様は、遅刻をしたら給料を減らすということをしたいのではなく、遅刻を抑制するために上のような規定を設けたいと思っているのではないでしょうか?
確かに、1日分の給料が減ると分かったら3回目の遅刻をするのはかなり躊躇しますね。(まぁ1か月に3回も遅刻するなんて、私の常識では考えられないのですが・・・それは置いておいて)

労働基準法では、91条に減給の制裁の項目が規定されています。

『1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払い期の賃金総額の10分の1を超えてはならない』

遅刻は、遅刻した分 つまり、労働していない時間は当然、働いていませんから、この時間について給与の支払い義務はありません。これを、ノーワークノーペイといいます。

しかし、1時間を遅刻して3時間分の給与を減らすとするのであれば、これは91条の減給の制裁に当たりますので、上の制約があります。

遅刻3回で1日分の減給 ということですから、これが1日の半額を超えるかどうかですが、超えてくると思われ、結論は、この制度は違法となります。

どうしてもこういった制度を導入したいのであれば、精皆勤手当を導入してはいかがでしょうか?これであれば、減給の制裁とはなりません。

条件に該当した時に支給する手当となりますので、上のような制約はありませんので、安心して運用することができます。

が、これは私の考えですが、そもそも、遅刻が起こらない会社に風土変更を行いましょう。社員研修などで取り組むことをお勧めします。

遅刻がなくなってくれば、精皆勤手当がある意味はありませんから、その分を給与に上乗せしましょう!

遅刻のある会社にはトラブルが起こりやすい傾向があるように思います。それは、会社の秩序の乱れ、従業員のモラルの低下、真面目な社員が損をする、いいことが何もありません。割れ窓理論ですね。

罰を与えて規制するのをやめて、従業員のモラルの向上を図りませんか?繰り返しになりますが、社長の想いや会社の想い、を社員研修で伝える事が大切です。
 


そもそも精皆勤手当の持つ意味とは

会社によって導入の意味は異なるとは思いますが、この手当の持つ最大の意味は、「遅刻や欠勤の減少を狙っている」ことにあります。つまり、そもそも遅刻や欠勤をしない・起こらない会社であれば、この手当を設定して置く意味はありません。

ちょっと極端な言い方は、精皆勤手当がある会社は、ない会社に比べて社員の時間に対する意識が引くとも言えてしまいます

割れ窓理論とは

ウィキペディアによると次の通りです。

割れ窓理論とは次のような説である。

治安が悪化するまでには次のような経過をたどる。

1 建物の窓が壊れているのを放置すると、それが「誰も当該地域に対し関心を払っていない」というサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。

2 住民のモラルが低下して、地域の振興、安全確保に協力しなくなる。それがさらに環境を悪化させる。

3 凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになる。


したがって、治安を回復させるには、

1 一見無害であったり、軽微な秩序違反行為でも取り締まる。

2 警察職員による徒歩パトロールや交通違反の取り締まりを強化する。

3 地域社会は警察職員に協力し、秩序の維持に努力する。

などを行えばよいとされています。

つまり、遅刻などの軽度のミスを減らすことが社内風土の改善に寄与し、それを放置すると、風土がどんどん乱れていくことが傾向としてあるといえます。


記載の内容は、執筆当時の法律に基づきます。また、わかりやすく記載するため、例外についてあえて記載していないことがあります。また、一定の状況下・一定の条件のことを指していることがあり、すべての状況で同様のことが言えるわけではありませんので、ご了承ください。

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