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2023.11.29
社労士が作る賃金規程 家族手当の規定例と注意点


正直言うと、規定の中身は厚労省の規定とほとんど変わりませんが、違うのは、ヒアリングをしてその会社に合わせた内容に修正していくのが社労士が作る規程だというところです。
手当てを作る目的を考えながら、会社の考え方を規定の中に盛り込んでいきます。

1 厚労省の規定例

(家族手当)
第35条
家族手当は、次の家族を扶養している労働者に対し支給する。
 ① 18歳未満の子 1人につき 月額     円
 ② 65歳以上の父母 1人につき 月額    円

 

厚生労働省の規定例は結構あっさりしております。これがダメとは言えませんが、お客様から「こんな時はどうしたらいいの?」には答えてくれない規定です。
 

2 当事務所の規定例

(家族手当)
第16条
家族手当は、健康保険法上の扶養家族のうち次の家族を扶養している社員に対して次の金額を支払う。
(1) 
配偶者                          月額○○円
(2) 
18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子 1人あたり 月額○○円

家族手当は届出をした月から、支給事由が消滅した月まで支給するものとする。

扶養家族が変更になったときおよび第1項の支給の条件に該当しなくなったときは、すみやかに会社に届け出なければならない。

前項の届出を怠ったとき、または不正の届出により、家族手当を不正に受給したときは、その返還を求め、就業規則に基づき懲戒処分を行うことがある。

 

通常、この規定をもとに、次の検討事項についてヒアリングをさせて頂きます。
 

3 検討事項

1 家族手当を作る目的とは?そもそも家族手当は必要か?

家族手当は、働く男性、そして、養われる家族、をイメージしてできた手当です。30歳の男性一人と30歳の男性と妻、子供一人では、生活スタイルが異なり、必要とされる生活給が異なります。それを負担することを目的として、家族が多い人には多く毎月の手当を支給するという制度です。

会社が家族手当を作ろうとする目的が、「家族が多い従業員を応援したい」のであれば、作ってもいいかと思います。しかし、独身男性と家族がいる男性と仕事量が同じでも、給料が異なることについてどう考えるでしょうか?

昨今、配偶者も職を持つケースが増えています。ダブルインカムの配偶者を会社が支える必要はあるでしょうか?

その点を考慮したうえで、必要かどうかを決定したいところです
 

2 家族手当を支給する範囲と金額

一般的に多いのは、
・健康保険法上の配偶者と健康保険法上の被扶養者で18歳年度末までの人
です。

18歳年度末を22歳年度末としてもいいかと思います。
おじいちゃんやおばあちゃん、兄弟に手当を出すか否かは会社の考え次第とは思います。
 

3 いつから支給を開始するか

私は、会社へ報告があった月から支給する がいいと思っております。あとから報告をしてきた場合でも、さかのぼり支給は致しません。
 

4 家族手当があることの隠れたメリット

家族手当は、残業代の基礎に含まれません。
ただ、ルールに基づかず、例えば、家族がいない人にも家族手当が出るような場合は、その限りではありませんが。
 

4 家族手当に変わる変わり種な手当の支給を検討してみませんか?

「家族手当を毎月5000円支給するようにします。」

と聞くと最初はみんな喜びますが、すぐにそんな気持ちはなくなります。通常の給与と同じになります。むしろ、19歳になって家族手当がなくなって給与が減ると不満を言うくらいです。

それであれば、小学校入学祝い金を支給するという制度はいかがでしょうか?

子供さんが小学校が入学した際は、20万円のお祝い金を賞与として支給する。

家族手当が5000円として年間6万円、6年間で、36万円なので、そのおよそ半額の負担です。それでも、会社が従業員の家族を大切にしている気持ちは家族手当以上に伝わるのではないでしょうか?

ある会社では、10万円のランドセルの授与式と、お祝い金を支給するとしています。
家族手当があるだけよりもESに力を入れているように聞こえませんか?

会社の考え方に合わせた運用をお勧めいたします。
 

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