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2025.07.15
【Q&A】 従業員からLINEで届いた退職の申し出は有効になりますか?
最近の若い従業員は辞める時もLINEやショートメールで「辞めます」と言って急に来なくなることがありますが、退職願を出してもらう必要がありますか?出せと言っても出してくれないような気がしますけど…
退職願があるほうがベターですが、要件さえ備えれば、LINEやショートメールでも退職の意思表示は有効になります
| このブログで分かること |
|---|
| 1 どうして退職の意思表示が重要なのか? 2 LINEやメールで退職の意思表示があった時に必ずチェックすべきポイント |
目次
1 どうして退職の意思表示が重要なのか?
退職の意思表示が重要である理由は、主に以下の3つの側面から説明できます。
1. 法的な効力の発生(労働契約の終了)
最も重要なのは、退職の意思表示を行うことで、労働契約を終了させる法的効力が発生する点です。
- 期間の定めのない雇用契約の場合(無期雇用): 民法第627条第1項により、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの時から二週間を経過することによって終了する。」と定められています。つまり、労働者側が退職の意思表示をすれば、会社が承諾しなくても、原則として2週間後に労働契約が終了することになります。
- 期間の定めのある雇用契約の場合(有期雇用): 原則として期間満了までは退職できませんが、民法第628条により「やむを得ない事由があるとき」は直ちに契約を解除できます。
退職の意思表示は、この「解約の申入れ」にあたります。意思表示が会社に到達し、所定の期間(原則2週間)が経過すれば、法律上は退職が成立します。このため、「いつ、どのような意思表示が、会社に到達したか」が明確であることが、ご自身の退職の権利を守る上で極めて重要になります。
2. トラブル防止と円滑な退職手続き
退職の意思表示を明確に行うことは、会社との間のトラブルを未然に防ぎ、円滑な退職手続きを進める上で不可欠です。
- 「言った言わない」の争いを避ける: 口頭での意思表示は後日、「そんな話は聞いていない」「退職の意思ではないと思った」などと会社側が主張する可能性があり、トラブルになりやすいです。書面やメールなど形に残る方法で意思表示することで、このような争いを避けることができます。
- 退職日の確定: 意思表示によって退職日が明確になり、会社側も後任者の手配や業務の引き継ぎ、退職に必要な事務手続き(社会保険、源泉徴収など)を進めることができます。これにより、円満な退社につながります。
- 退職の撤回可能性: 退職の意思表示は、一度会社に到達すると、原則として撤回することはできません。これは、会社側がその意思表示に基づいて人事計画などを進めるため、安易な撤回を認めると会社に不測の損害を与える可能性があるためです。そのため、本人が退職の意思を固めていることを明確に伝える必要があります。
3. 自己の権利の確保
退職の意思表示は、労働者自身の権利を確保するためにも重要です。
- 不当な引き止めへの対抗: 会社が不当に引き止めたり、退職を認めようとしない場合でも、正式な意思表示があれば、法律上の退職の効力を主張できます。
- 退職後のトラブル回避: 退職後に、未払いの賃金や残業代、退職金などを請求する際に、いつ退職の意思表示を行い、いつ労働契約が終了したのかを明確に証明できることは、自身の権利を守る上で有利に働きます。
以上のように、退職の意思表示は、単に「会社を辞めます」と伝える行為にとどまらず、労働契約を法的に終了させるための重要な行為であり、後のトラブルを回避し、自身の権利を守るための基盤となります。そのため、その内容と形式、そして到達時期が明確であることが非常に重要なのです。
2 LINEやメールで退職の意思表示があった時に必ずチェックすべきポイント
LINEやメールで退職の意思表示があった際にチェックすべきポイントは主なものは次の通りです。
1. 意思表示の内容の確認
- 退職の意思が明確か: 「辞めたい」「退職を考えている」といった曖昧な表現ではなく、「〇月〇日をもって退職します」といった明確な意思表示であるかを確認します。
2. 連絡手段と証拠の確保
- LINE/メールの保存: 送られてきたLINEやメールは、スクリーンショットやプリントアウトなどで必ず保存し、証拠として残しておきます。後々のトラブルを避けるためにも重要です。
- 本人からの連絡であることの確認: なりすましなどの可能性もゼロではないため、念のため本人からの連絡であることを確認できるとより確実です。(例:返信を求める、電話で確認するなど)
3. 会社としての対応
- 口頭での確認と面談の設定: メールやLINEでの意思表示のみで完結せず、必ず本人と直接面談の機会を設け、退職の意思を最終確認します。その際に、退職理由の詳細や今後の進路などを丁寧にヒアリングし、会社としてできることがないか(例:部署異動、業務内容の見直しなど)を検討します。
- 退職届の提出依頼: 正式な手続きとして、書面での退職届の提出を依頼します。
- 今後のスケジュール共有: 退職日までの業務の引継ぎ、有給休暇の消化、貸与品の返却、書類の準備(離職票、源泉徴収票など)といった今後のスケジュールを明確に伝え、円滑な退職ができるようサポートします。
- 情報漏洩のリスク管理: 退職者が機密情報や顧客情報を持ち出すリスクがないか確認し、必要に応じて情報セキュリティに関する注意喚起を行います。
- ハラスメント等の可能性の確認: 退職理由がハラスメントなど、会社側に問題がある可能性がないか、ヒアリングを通じて確認します。もし問題がある場合は、適切な対応を検討する必要があります。

