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2025.09.15
【要注意!】最低賃金の計算で間違いやすい3つのポイント

「うちの会社はちゃんと最低賃金をクリアしているはず…」
そう思っていても、実は見落としがちな計算ミスで、知らないうちに法律違反になっているケースがあります。
今回は、最低賃金の計算で特に間違いやすい3つのポイントを、具体的な例を交えながら解説します。
【ポイント1】「手当」は全て含めるわけではない!
最低賃金の計算の基本は、時給換算した賃金が、各地域の最低賃金を上回っているかを確認することです。
しかし、ここで注意が必要なのは、「全ての賃金」が最低賃金の計算に含まれるわけではないということです。
具体的には、以下の手当は、最低賃金の計算から除外されます。
- 精皆勤手当: 欠勤しなかった場合に支給される手当
- 通勤手当: 通勤にかかる費用を補填する手当
- 家族手当: 家族を扶養している場合に支給される手当
- 残業手当・休日出勤手当・深夜手当: 時間外労働や深夜労働に対して支払われる手当
例えば、基本給16万円、皆勤手当1万円、通勤手当5千円の月給の場合、最低賃金の計算に含めるのは「基本給16万円」のみです。
もし、これらの手当を含めて計算してしまうと、実際の最低賃金を下回っているにもかかわらず、「クリアしている」と勘違いしてしまう可能性があります。
【ポイント2】月給制の場合の計算方法
月給制の場合、最低賃金の計算には「月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間」という計算式を使います。
ここで間違いやすいのが「1か月の平均所定労働時間」の算出方法です。
この時間は、単に「1日の労働時間 × 20日」といった単純な計算ではなく、1年間の労働時間を正確に算出し、それを12で割る必要があります。
計算式:1年間の所定労働時間 ÷ 12か月
1年間の所定労働時間: (365日 - 年間休日)× 1日の所定労働時間
例えば、年間休日が120日、1日の所定労働時間が8時間の場合、
(365日 - 120日)× 8時間 = 1960時間
1960時間 ÷ 12か月 = 約163.3時間
この「1か月の平均所定労働時間」を使って、時給換算した賃金が、地域の最低賃金を上回っているかを確認します。
もし、この平均所定労働時間の計算を間違えると、時給換算した賃金もズレてしまい、結果的に最低賃金を下回ってしまうことがあります。
【ポイント3】出来高払い制・請負制の場合の計算方法
出来高払い制や請負制の場合、最低賃金の計算はさらに複雑になります。
この場合、最低賃金は「出来高払いの賃金総額 ÷ 総労働時間」で算出します。
出来高払いの賃金総額: 出来高に応じて支払われた賃金
総労働時間: 出来高を達成するために費やした全ての時間(休憩時間などを除く)
例えば、1週間で100個の製品を作り、出来高払いで3万円の賃金を受け取ったとします。この1週間の労働時間が30時間だった場合、
3万円 ÷ 30時間 = 1,000円/時間
もし、この1,000円/時間が、その地域の最低賃金を下回っていた場合、最低賃金法違反となります。
出来高払いの場合、労働時間が変動しやすく、正確な労働時間の把握が難しいという問題があります。しかし、労働時間管理を怠ると、最低賃金法違反のリスクが高まります。
まとめ
最低賃金の計算は、一見シンプルに見えて、様々な要素が絡み合っています。
今回ご紹介した3つのポイント以外にも、賃金体系によっては注意すべき点があります。
「もしかして、うちの会社は大丈夫かな…?」
そう感じた方は、今一度、自社の賃金体系と労働時間管理を見直してみてください。
最低賃金法は、働く人々の生活を保障するための重要な法律です。
知らなかったでは済まされない事態にならないよう、正確な知識を身につけ、適切な賃金管理を行うことが、健全な企業経営の第一歩と言えるでしょう。
ご不明な点があれば、労働基準監督署や社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。

