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2023.10.18
労災で休むとき、最初の3日は事業主が補償すると聞きました。平均賃金はどうやって計算しますか?

平均賃金の計算方法は法律で細かく決められています。
賃金に含む必要がないものと、期間に含まないものがありますので、気を付ける必要があります。

詳しく解説いたします

労災による休業補償

労災には、通勤途中にケガをする 「通期災害」 と 業務中にケガをする 「業務災害」 がありますが、業務災害による災害補償は、労働基準法第76条で事業主に義務付けられていますが、労災保険法の第14条では休業4日目からの支給をについて規定しています。

つまり、休業最初の3日間(待期期間)は、事業主が1日について平均賃金の60%の休業補償を行うこととなります。
 

平均賃金の計算方法

<原則>

原則として事由の発生した日 以前3か月間に、その労働者に支払われた 賃金の総額 を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額です。
 

<例外>

ただし、賃金が時間額や日額、出来高給で決められており労働日数が少ない場合など、総額を労働日数で除した6割に当たる額の方が高い場合はその額を適用します( 最低保障額 )。

過去3か月間の賃金の取り方

・・・締切がある場合締切日ごと に、通勤手当、皆勤手当、時間外手当など諸手当を含み、税金や社会保険料などの控除をする前の 賃金の総額 により計算します。
 

平均賃金の計算に関するよくある質問

Q 算定事由の発生した日とは?

災害補償の場合は、事故の起きた日または、診断によって疾病が確定した日を指します
 

Q 以前3か月間とは?

算定事由の発生した日は含まず、その前日から遡って3か月です。賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日から遡って3か月となります。賃金締切日に事由発生した場合は、その前の締切日から遡及します。

なお、次の期間がある場合は、その日数及び賃金額は先の期間および賃金総額から控除します

  • 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
  • 産前産後休業期間
  • 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
  • 育児・介護休業期間
  • 試みの使用期間(試用期間)
     

Q 賃金の総額とは?

算定期間中に支払われる、賃金のすべてが含まれます。

通勤手当、精皆勤手当、年次有給休暇の賃金、通勤定期券代及び昼食料補助等も含まれ、また現実に支払われた賃金だけでなく、賃金の支払いが遅れているような場合は、未払い賃金も含めて計算されます。

ベースアップの確定している場合も算入し、6か月通勤定期なども1か月ごとに支払われたものと見なして算定します。

なお、次の賃金については賃金総額から控除します。

  1. 臨時に支払われた賃金(結婚手当、私傷病手当、加療見舞金、退職金等)
  2. 3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(四半期ごとに支払われる賞与など、賞与であっても3か月ごとに支払われる場合は算入されます)
  3. 労働協約で定められていない現物給与(なお、労働協約によらない現物給与は違法です。)

例外的な算出方法

① 試用期間中の場合

従業員の試用期間中に平均賃金の算定事由が生じた場合は、試用期間中の日数および賃金で平均賃金を算定します。
 

② 3ヶ月間に法令による休業がある場合

従業員に産休や育休などの期間がある場合は、その間の休業日数および賃金を、算定期間および賃金総額から控除する必要があります。
 

③ 雇入れから3ヶ月未満の場合

従業員を雇用してから3ヶ月以内に平均賃金の算定が必要となった場合は、雇用の日から算定事由が発生した日までの期間に基づいて平均賃金を算定します。


記載の内容は、執筆当時の法律に基づきます。また、わかりやすく記載するため、例外についてあえて記載していないことがあります。また、一定の状況下・一定の条件のことを指していることがあり、すべての状況で同様のことが言えるわけではありませんので、ご了承ください。

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