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2023.11.14
タバコ休憩をとる社員に不満を持つ非喫煙社員への対応

25年前まで私は喫煙者でした。1日2箱を吸う一般的なヘビースモーカーでした。営業職でしたが、事務所に戻ってからは給湯室に行ってはタバコを吸っていました。
1時間につき1本くらいだったでしょうか?事務所に3時間いるとして、1本あたり約10分くらいだったので、毎日30分。月22日働くとして、11時間のたばこ休憩となります。
当時は、残業手当を一切もらったことがありませんので、職務専念義務違反といわれてもしっくりきませんが、タバコを吸わない人と比べると不平等極まりありません。
タバコを吸っていた私は、タバコを吸いながら同僚や後輩先輩と情報交換 と言っていましたが、果たしてそれに正当性があるかははなはだ疑問です。

25年前と違い、今では非喫煙者のほうが圧倒的に多く、かつ、多くのビルはビル内禁煙となっています。タバコを吸うためには、一度ビルの外に出てタバコを吸う必要があり、よくタバコを吸う人については、席を離れることが多く、それについて、非喫煙者が不満を抱くのは当然です。
 

会社の統一した考えは?

非喫煙者からの不満には正当性があります。否定の余地がありません。そこで、会社の姿勢として、いくつか考えられます。
 

会社がタバコ休憩を認める場合

会社がタバコ休憩を認める理由は、喫煙を我慢せずに喫煙をしたほうが、その人の業務効率を上げるものだと認知する場合です。確かに、喫煙者が就業時間中のタバコを我慢する場合に、ストレスがたまり、逆に業務効率が落ちることが考えられます。

話は変わりますが、短時間の睡眠が業務効率を上げるという研究結果があります。業務効率を上げるために10分から15分のお昼休憩を推奨する会社もあります。たばこ休憩をとったほうが業務効率が上がるなら同様に考えるも一理あります。そもそも、人間の集中力は1時間持たないという研究結果もありますから、1時間につき、5分から10分の脳を休める休憩を取るということはあながち間違えていないように思います。

つまり、会社が、たばこ休憩を効果的にとったほうが業務効率が上がる と判断する場合には、タバコ休憩を会社が認めるという方法もあるでしょう。

非喫煙者には、会社がタバコ休憩を認めるのはその人の業務効率が上がるからだ と説明するという方法になりますが、おそらく、非喫煙者はこれに納得しないでしょう。最悪の場合、会社の対応に不満を覚えて退職される方もいるかもしれないということは覚悟する必要があります。
 

会社がタバコ休憩を認めない場合

従業員には、職務専念義務という労働の義務があります。就業時間中はその与えられた職務に専念しなければならないということです。頻繁にタバコ休憩を取ることは、職務専念義務違反と言うことができます。

非喫煙者が、所定労働時間 8時間のうち8時間を勤務しているに対し、喫煙者は8時間のうち7.5時間しか勤務していないのであれば、これを正す必要があると言えます。
会社は、8時間の労働に対して給与を支払っているわけですから、本来定められた休憩時間以外の休憩、つまり、たばこ休憩を禁じるというのも当然のように思います。
 

不満の原因は不公平であること

そもそも、どうして不平や不満が起こるのかというと、それは、喫煙者と非喫煙者の間で起こる不公平感です。つまり、会社はこの不公平が起こらない仕組みを作ることが必要なのです。喫煙を完全に禁止するということもその方法の一つです。喫煙を認めた場合には非喫煙者が不利益を被り、喫煙を禁止した場合は喫煙者が不利益を被るということになります。

そこで、公平感を求めるということで次のような方法がいかがでしょうか?
 

休憩時間を変更する

一般的な会社は、休憩時間をお昼に1時間とされていると思います。
現状、喫煙が休憩だと判断すれば、喫煙者のみ追加の休憩を取っていることになり、非喫煙者はその他の休憩がないため不公平感を感じて不満を持っている状態です。
そこで、お昼休憩の1時間とは別に5分から10分間の別の休憩時間を午前と午後に1回ずつ、もしくは、複数回設定するという方法があります。トイレなどの休憩も、原則、この追加の休憩時間に済ましてもらうのがいいのではないでしょうか。ただ、トイレは生理現象ですから例外の取得を認める必要があります。

また、お昼休憩を1時間とせずとも、お昼休憩は40分、そして、それ以外に10分間の休憩を2回、または、5分間の休憩を4回取得し、合計で60分休憩を取ることとするとしてもいいのではないでしょうか。

ただし、エリアによっては40分の休憩時間では昼食をとることが難しく、逆に、健康を阻害する可能性もあるでの注意が必要です。

喫煙者がお昼の1時間休憩の他に、タバコ休憩をとっている状態と比較すれば、お昼休憩を分割するよりは追加の休憩時間を与える方が納得を得られるのではないかと思います。

休憩時間を増やした場合、所定労働時間が8時間ではなくなります。所定労働時間が8時間ではなく7.5時間などと変わるでしょう。その場合は、時間単価や残業代単価も変わることになりますので、給与計算をする際にはその点に注意が必要です。
 

休憩の付与についての法律

休憩時間は、事業場で一斉に付与しなければならない。と、法律にあります。従業員の交代休憩や任意のタイミングでの休憩は基本的には禁止されています。しかし、実際には従業員が一斉に休憩を取ることが不可能な業態も少なくありません。そのため、一斉付与の原則にはいくつか例外が設けられています。

①労使協定を締結した場合です。
労使協定で一斉付与の適用から除外する従業員の範囲や休憩の与え方を定めれば、一斉付与の原則を適用除外とすることができます。一斉に従業員が昼休憩などを取得すると困る業種の場合は、必ず労使協定を結んで対応しましょう。

②業種による適用除外です。官公署・通信業・運輸交通業などの業種は労働基準法において一斉付与の原則が適用外とされています。労使協定を結ぶ必要がありません。
 

結論

私としては、この際完全禁煙とするのがおすすめです。しかし、会社の状況に合わせて公平を求めるという意味で休憩時間の柔軟な変更もその手段の1つかと考えます。
 

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