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2023.12.19
【Q&A】 歩合給やインセンティブがある人の有給休暇の計算方法は何か違うのでしょうか?
その通りです。一般的な有給休暇の計算とは異なる計算方法となります
通常の有給休暇の計算方法
月給制の場合
月給制の場合、有給休暇を取得しても控除等をせず通常の1ヶ月の賃金を支払います。特に難しい計算はありません。例えば、月給25万円の人が10日有給休暇を取った時、給与は25万円となります。
日給制の場合
日給制の場合、月給制と同様で、本来払う1日の賃金を支払うことになります。特に難しい計算はありません。
時給制の場合
時給制の場合、本来出てくる予定だった日の労働時間分の時給を支払います。
例えば、その日に6時間働く予定だった日に有給休暇を取った場合、6時間分の時給を有給休暇の手当として支払うことになります。
日によって働く時間が決まっていない場合
この質問、結構多いのですが、答えに窮します。
それは、本来それはあり得ないからです。
有給休暇は労働日にしか取得することができません。つまり、その日働くことが決まっている日となり、当然、働く時間が決まっているはずだからです。
しかし、パートの方のシフトを直前に決めるような会社もあり、その場合、パートさんは現実有給休暇を取得できないことになってしまいます。週4日のパートさんが翌週のシフトが決まっていない状態で、翌週に有休を入れようとしても週3勤務になるだけ ということになってしまいます。
この場合、順番として、まずは、そのパートさんにシフトを与えてみます。そして、その日を有給とします。(変な感じですが)日によってシフトが異なる場合やばらばらの場合でもどうにかして時間を決めていくことが必要です。
過去の働き方から平均的な労働時間のシフトを与え、そこに有休をあてはめていきます。
週4日契約のパートさんが週4日勤務した週に、有給休暇を使うことができるのか?
普通に考えればできません。
なぜなら週4勤務、つまり週3休日で、休日を予定する日に有給休暇を取ろうとしているからです。
強引に考えられるとすれば、週4勤務した日の1日が、休日出勤をしたのであれば、残りの3日のうち1日は所定労働日と考えられ、その日に有休をとることはあり得るだろうと思います。
歩合給がある場合の有給休暇の計算方法
有給休暇には、通常支払われる賃金を支給するとされていることが多いです。
(労働基準法施行規則第25条) 法第三十九条第九項の規定による所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金は、次に定める方法によって算定した金額とする。 一 時間によって定められた賃金については、その金額にその日の所定労働時間数を乗じた金額 二 日によって定められた賃金については、その金額 三 週によって定められた賃金については、その金額をその週の所定労働日数で除した金額 四 月によって定められた賃金については、その金額をその月の所定労働日数で除した金額 五 月、週以外の一定の期間によって定められた賃金については、前各号に準じて算定した金額 六 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金については、その賃金算定期間(当該期間に出来高払制その他の請負制によって計算された賃金がない場合においては、当該期間前において出来高払制その他の請負制によって計算された賃金が支払われた最後の賃金算定期間。以下同じ。)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を当該賃金算定期間における総労働時間数で除した金額に、当該賃金算定期間における一日平均所定労働時間数を乗じた金額 七 労働者の受ける賃金が前各号の二以上の賃金よりなる場合には、その部分について各号によってそれぞれ算定した金額の合計額 |
事例で考えないと全く分からないと思いますので、事例で見ていきたいと思います。
<例>タクシー会社、1日の所定労働時間8時間、所定労働日数21日、この人の基本給 20万円とする。
その月の所定内労働時間168時間
残業時間32時間
歩合給10万円
の場合
有給を1日取得した時
基本給 変わらず
残業手当 20万 / 168 × 1.25 × 32時間 =47,619円
歩合給部分の有給手当
10万円 / (168時間+32時間) × 8時間 = 4,000円
支給合計 251,619円 となります。
つまり、歩合給を得るためには、総労働時間働いて得たと考えますから、歩合給を総労働時間で割って計算するということです。