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2024.01.18
入社1年しかたっていないのに、有給休暇が合計21日法律上付与される特殊なケースがあります

有給休暇はいつ、何日付与すればいいのでしょうか?

原則は複雑ではありませんが、特殊な例もあります

原則:有給休暇の付与日数とタイミング

有給休暇の付与日数とタイミングは、最低限の基準が法律で定められています。最低限の基準が守られていれば、企業の裁量により付与日数を変えることも可能です。

労働基準法第39条

使用者は、その雇入れの日から起算して6カ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。


2 使用者は、1年6カ月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6カ月を超えて継続勤務する日(以下「6カ月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6カ月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。


ただし、継続勤務した期間を6カ月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。

入社から6カ月で10日付与し、その後1年後には11日を付与、翌年から12,14,16,18,20日を付与し、それ以降は、毎年20日間が付与されます。

有給休暇の時効は2年間なので、最高で、40日をもつことになります。

有給休暇を付与するタイミング

有給休暇を付与するタイミングは、前述の通り、雇い入れから6か月が経過した日となっています。

例えば、4月1日入社の従業員は6か月後の10月1日が初回の付与されるタイミングとなります。その後は1年毎の10月1日が有給休暇の付与日になります。この有給休暇の権利が従業員に発生する日のことを基準日と言います。

有給休暇を付与する条件

  1. 雇い入れ日から起算して6カ月を超えて継続勤務していること
  2. 出勤率が8割以上であること

この二つの要件を満たしていなければ、有給休暇を付与する必要はありません。

例外:有給休暇を前倒しで付与する場合

入社時に10日間付与する場合

法律を上回っていますので、入社時に10日間付与すること自体何の問題もありませんが、注意点があります。それは、通常の基準日が変わるという点です。基準日は、入社日となります。

つまり、通常1年6か月を経過した時に付与される有給休暇は、6か月が経過して付与される日を基準日としてその1年後に付与されているのですから、基準日が入社日になった場合は、入社から1年が経過した日が2回目の付与日となり、11日が付与されることになります。

入社時と基準日に分けて分割付与する場合

例えば4/1(入社日)に5日間、6ヵ月後の10/1(基準日)に残りの5日間を分割して付与する場合です。

全ての有給休暇が付与されるのが10月1日なので、次に付与するのは次の年の10月1日に11日付与して労働基準法と同様にすればよいのではと思ってしまいがちですが、実は間違えています。

最初に有給休暇を付与した日から1年後に次の有給休暇付与を行う必要があるので4月1日が基準日となり、入社日から1年を経過した時に11日を付与することになります。

「労働基準法の一部改正の施行について」の「5 年次有給休暇(3) 年次有給休暇の斉一的取扱い」

(3) 年次有給休暇の斉一的取扱い


年次有給休暇について法律どおり付与すると年次有給休暇の基準日が複数となる等から、その斉一的取扱い(原則として全労働者につき一律の基準日を定めて年次有給休暇を与える取扱いをいう。)や分割付与(初年度において法定の年次有給休暇の付与日数を一括して与えるのではなく、その日数の一部を法定の基準日以前に付与することをいう。)が問題となるが、以下の要件に該当する場合には、そのような取扱いをすることも差し支えないものであること。


イ.斉一的取扱いや分割付与により法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすものであること。


ロ.次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じ又はそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。


(例えば、斉一的取扱いとして、4月1日入社した者に入社時に10日、1年後である翌年の4月1日に11日付与とする場合、また、分割付与として、4月1日入社した者に入社時に5日、法定の基準日である6ヵ月後の10月1日に5日付与し、次年度の基準日は本来翌年10月1日であるが、初年度に10日のうち5日分について6ヵ月繰り上げたことから同様に6ヵ月繰り上げ、4月1日に11日付与する場合などが考えられること。)

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