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2024.02.01
【判例】 ドリームエクスチェンジ事件 平成28年12月28日
事案の概要
原告は被告会社を懲戒解雇され、労働審判を申し立てた。労働審判で懲戒解雇が認められたため、異議を述べ訴訟に移行した。
被告会社では、業務中に従業員間の連絡にチャットを使っていた。原告が従業員Cを諭して被告の営業秘密である顧客情報を持ち出させた可能性があることが判明したため、被告がチャットを調査した。
原告は私用チャットを頻繁に行っており、また、その内容に被告会社が倒産する、どの女性従業員が何をしていた等、会社の信用を傷つけるものやセクハラパワハラに当たるものが含まれていた。
判旨
チャットの時間について「概算で1日当たり300回以上、時間にして2時間程度、チャットをしていた計算」となり、業務形態であり、顧客情報の漏えいについては、Cがすでに情報を持ち出していることを知らずに「顧客情報を持ち出すべきであるとの意見を述べ」、経理課長である原告は会社が確実につぶれるとチャットで発言し、部下を無能である、女性従業員に対する性的な評価をした発言を行った、と各事実を認定し、「本件チャットの態様、悪質性の程度、本件チャットにより侵害された企業秩序に対する影響に加え、被告から、本件チャットについて、弁明の機会を与えられた際、原告は本件チャットのやり取り自体をすべて否定していたことからすれば、被告において、原告は本件懲戒事由を真摯に反省しておらず、原告に対する注意指導を通してその業務態度を改善させていくことが困難であると判断したこともやむを得ない」として懲戒解雇を有効とした。
解説
本件は業務で利用するPCでも私用チャットが問題となった事例です。本件の会社は業務をチャットで行っていたことから、チャットを使うことそのものは問題のない会社であったが、私用チャットが1回1分としても2時間に及ぶこと、その他チャットの内容が問題であったことから、懲戒解雇処分をしました。裁判所は会社が本人に弁明の機会を与えたことを考慮して、解雇以外の処分を選択しなくてもよい判断しました。
判旨の紹介にあるように、本件ではチャットの内容にも問題があることから、懲戒解雇が相当であるとされたものです。
本件のような問題は全ての会社で起こる可能性があります。チャットの内容に問題があると判断できる場合は、早期に発見して指導すべきです。基本的には反省の機会を与えることが会社には求められます。
ただ、本件のようにはなはだしいケースでは、反省の機会を与えることは必要でしょうが、内容とのバランスなどで解雇の相当性が肯定されることがあります。
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